多摩の一番星! 現役バリバリ!豪華絢爛 デコトラ野郎

多摩地域にデコトラをこよなく愛する『こわもてな男』がいる。

そんな情報を聞きつけた新米特派員のボク。「こわもて」と聞いて、早速お腹が痛くなりそうでしたが、そもそも『デコトラ』ってご存知でしょうか?

ボクもそんなに詳しくなくて。取材の前にちょっと調べましたので、まずはデコトラの基本情報をご紹介!

【デコトラってなんだ?】

デコレーショントラックの略であり、コンテナ部のペイント塗装やマーカーランプやアンドンといった電飾装備、ステンレス製やクロムメッキを施されたエアロ部品などを用いて外装を飾ったトラックを指す用語である。別名アートトラックとも呼ばれる。By ウィキペディア

ふむふむ。略語のことは知っていたぞ。けど、「アートトラック」って呼ばれているのか。それは知らなかったな〜。どうやら、トラックによって飾り付けにいろんな芸術的センスが発揮されているみたい。ボクが見たことあるのはこんな感じ。

この写真は昼間だからよくわからないけど、トラックの前面にピカピカ光る電球が装飾されていて、気合いの入ったお方が乗り回しているイメージ。

【デコトラの歴史】

始まりは、主に水産業の輸送に使っていた車両が海水で錆びて、傷んだところをステンレス鋼板で補修したのがきっかけだそう。そして、さかのぼること1970年代。映画「トラック野郎シリーズ」が大ヒットしてデコトラブームに。平成生まれのボクにはなんのことやらさっぱりなんですが、すごかったみたいです。主人公の星桃次郎が乗るトラック「一番星号」を模したプラモデルが子どもたちの間でも大ヒットしたとか!社会現象になったみたいです。

こちらが映画の広告。時代を感じます。そして主人公の脂ギッシュでエネルギッシュな顔… 男を感じますね!!

今回取材させていただいたデコトラ命の後藤さんは、このトラック野郎シリーズの主人公に憧れて運送業界に入ったとのこと。気合い入ってそうだぁ〜ボクも気合い入れていくぞ!というわけで、突撃!!

【これがデコトラ命の後藤さんだっ!】

中央やや左に仁王立ちしておられますのが、はい。今回お話を聞かせていただいた後藤パイセンでございます。その後ろには、なにやらゴツいトラックが。これがご自慢の「デコトラ」ですね。戦国時代のお城が脳裏に浮かんだのはボクだけでしょうか。動くお城…。もはや、ハウルの動く城です!そして、トラックのてっぺん。天守閣的な部分には日本の国旗が。大和魂を感じます。

改めまして。リアルにこわもてでございます。あぁ…お腹痛くなってきた…

ん…?!後藤さんが両手で抱えているのは犬?ダックスフンド2匹?

かわいい…。しかもすごくなついている…。後藤さんもかわいく…見えなーい!!全然かわいくないっす!

なんだこのギャップは…。そう思った瞬間、笑いがこみ上げてきたボク。と同時に生存本能でしょうか。

「ココで笑うとヤバい」

初対面のこわもての方に対して失礼のないようにグッと笑いをこらえると同時に、久しぶりの冷や汗を感じた瞬間でした。ふぅ…。

【なんでデコトラ?】

後藤さんのお仕事は採石運搬の仕事。もともと乗り物が好きで、16才になってすぐ免許を取ってバイクに乗っていたそう。バイクの改造もバリバリやってたものだから、今の時代の若者が免許を取りたがらないのが不思議でしょうがないとのこと。ボクは今20才だけど、免許も車もほしいと思う派なので後藤さんの言ってることはわかる。そう思った瞬間…

「もしかしたらボクも、デコトラを乗り回す日がくるのか…?!」

急にデコトラが身近に感じられました。先にも述べた通り、後藤さんはトラック野郎シリーズの影響で運転手になりたくてなったそうで、かれこれ30年くらい乗り続けているとのこと。大ベテランですね!

【これが自慢のデコトラだっ!】

改めてご紹介しましょう。こちらが13年かけて徐々にバージョンアップさせていった後藤さんのデコトラでございます!!10年を超えると売りに出す人もいるようですが、後藤さんの場合は愛着がどんどん強くなってきているらしく、手放せないそう。やっぱ、愛だろ、愛。ということですね。ボクもここまですごいデコトラを見たことがない。

斜め前からのドアップ

タイヤのホイールについている星型のオブジェ。チラッと見えてる桜が綺麗。

改めて真正面から。ちょっとしたライブができそうだ。

聞けば、デコトラにかけた費用は1,000万円を超えているそう!下手したら、もう1台トラックが買えるんじゃないか…。ちなみに、すごいときは生活費以外のお金は全てデコトラに突っ込んだとか。

後藤さんのこだわりはずばり!バンパー部分!!トラックの前面・ウィンカーの下あたりに、ボコっと出てる部分がありますね。ココです。

デコトラ愛が飛び出したかのようなバンパー部分

ここまで立派なバンパーは見たことなかったなぁ。これだけ目立つこともあり、信号待ちしている時などに写真を撮られることもあるそう。中には噂を聞きつけてか、車庫の中まで入ってきて写真を撮る人も。鉄道オタクならぬデコトラオタク的な人がいるんですかね。

さらに聞いていくと、後藤さんはデコトラをこよなく愛する人たちの集まりである「海峡道塾」の会員。本部は茨城で、東京・神奈川・埼玉・茨城・岩手・宮城・福島・沖縄に支部があり、東京支部所属。海峡道塾主催のイベントがあるらしく、後藤さんも今年2月に参加。他のクラブからも参加し400台ほどのデコトラが集結して絆を深めたそうです。こんなすごいデコトラが400台。ということは…後藤さんのようなこわもてのお方が400名もいるのか…

【デコトラ男の愛するものとは?!】

いやもう、ネタバレしてますかね…。してないフリして申し上げます。

何を隠そう、デコトラこわもて男の愛するものとは…

そう!ワンちゃんです!!ワンちゃん!!

無理がありますね…。両手にダックスフンド2匹を抱えてトラックから降りてきたこわもての後藤さん。大の犬好きなわけです。どうみてもそうですよね^^しかも話を聞けば2匹とも女の子。かわいがってるんでしょうね。意外すぎます。意外すぎてクスクスなっちゃいます。ご自宅では「カワイイでちゅね〜ナデナデしちゃいまちゅ〜」とか言ってるんでしょうか。怖くて聞くことは不可能でしたが、妄想が膨らんでしまいます。

こんなストーリーをお聞きしました。

以前は家にワンちゃんを置いて仕事に出かけていたそうですが、夜になると後藤さんが恋しいのか鳴いちゃうらしく、近所からクレームが。住んでいる家の大家さんからは「飼ってる犬の声帯、取りなさい」と言われたそう。そこまで言うんすね…後藤さんにそんなこと言える大家さんっていったい…。

当然ながら、『そんなことできるわけないだろ!』ということで引っ越し。最終的には、一緒にトラックに乗せることにしたそうです。ワンちゃんへの愛が伝わってきます^^きっとデコトラと同じくらい…いやそれ以上?ワンちゃんのこと、好きなんだと思います(ニヤリ)。

このギャップ、たまんないッス。

【特派員からの一言】

こわもての後藤さんはその見た目とは裏腹に、ボクのような若輩者の質問にも丁寧に答えて下さる素敵な方でした。

後藤さんのデコトラへのこだわりは並大抵のものではありませんでした。

ワンちゃんへの愛情も言わずもがな^^

実は後藤さん、ワンちゃんを3匹飼っていたそうですが、そのうち1匹が最近亡くなられたそうです。その時の寂しそうな表情は忘れられません。

何かを大切に思うこと。それ自体、愛なのかもしれないなぁ。

大人の階段をまた一段、登れた気がする。

けど、ギャップって何なんだろう。なんか後藤さんをみてると羨ましかったなぁ。ズルい。後藤さん、ボクにもギャップくださーい!ってせっかく登った大人の階段、降りてってる気がする!

以上、特派員ユウトからでした!ではまた!