【日の出】衝撃!西多摩を走るフェラーリのやきいも屋さん!
- 2020.03.27
- ディープ多摩
みなさんは冬の風物詩といえば何を思い浮かべるでしょうか。
クリスマスやお正月…スポーツ好きの人は高校サッカーや箱根駅伝を思い浮かべる人もいるでしょう。
私ユウトは小さいころから「い~しや~きいも~」の放送が聞こえると「あ、もう冬が来たんだな」と感じます。
石焼き芋といえば、あのひび割れた声の放送をかけながら軽トラが町を走る姿が思い浮かぶと思います。
そして道端に停まると、子連れの母子がやってきたり、お姉さんたちがキャーキャー言いながらやって来て、おじさんが「はい!300万円!」なんてダジャレを言いながらほっかほかの焼きいもを渡す…
これぞ古き良き日本の冬の風物詩ですよね!
がしかし!日の出町にはこんな噂があるのです。
「フェラーリの石焼き芋屋がいる」
はぁ?…そんな馬鹿な話があるわけなかろうが。
フェラーリといえばウン千万円もする超高級車。
それがなぜ故に1つ数百円の焼き芋を売るために走り回るというのか?
都市伝説にしてももう少しリアリティのあるものにした方がいいんじゃないか?と小馬鹿にしてたら・・・どうやらかなり信憑性が高いという。
そんな馬鹿な…と思いつつも、多数の目撃情報がある場所で張り込んでみることに。う〜…寒い!!ガセネタだったらどうしてくれるか…
そして張り込むこと30分。
「いしや〜きいも〜 焼きたて!」
お!石焼き芋だ!
「ガロロローン・・・」
ん?この音は…まさかあの有名なフェラーリサウンド?知らんけど…。
そして・・・
「ま、まさか・・・」
爆音を響かせながら一台の真っ赤な車が!
おいおい嘘だろ、ほんとにこんな田舎町にフェラーリっぽいのがやって来た!
ド派手な車体を見てみると…あ!馬のエンブレム!本物のフェラーリだ!!
目の前のラーメン屋の店主もフェラーリの放つエンジン音に何事かと言わんばかりに飛び出してきてすかさずパシャリ。
大通りの一本狭い道を入った人通りの少ない場所でしたが、あっという間に人だかりが。
でも、このフェラーリが噂の焼き芋屋なのか?
いったいこの流線型フォルムのどこにあのいなたい石焼きの機械があるというのか…
と後ろに回ってみると…
あ・・・これだわ!
フェラーリの車体にくっついているトレーラー。
これに焼き芋が入っているのか。
噂が本当だったという驚きもあるが、なぜだかちょっとホッとした安堵感も。
人ごとながら、フェラーリを改造して後部が軽トラみたいになってたら、天国のエンツォ・フェラーリさんに申し訳ないと思ってたので。
とりあえず格好良さはキープしてたので良かった!!
さて、肝心の焼き芋の味はどうなんだろうか。あのちょいダサの軽トラでやるからという雰囲気も込みの美味しさもあると思うけど…
1つ400円。
フェラーリで売ってるというのに普通の値段です。
割ってみると・・・お、おいしそう。蜜の量がすごい!
一口食べてみると…
う、うまい!とにかく甘い!なんなら一般的な焼き芋を超えてしまってるではないですか!
フェラーリで焼き芋を売るなんて、単なるパフォーマンスかと思いきや、ボクがこれまで食べた焼き芋の中でも1・2を争う美味さ!
これはもっと話を聞いてみたいとオーナーの原田さんに取材を申し込むと…
今は営業中だから、あとで指定された場所に来て欲しいとのこと。
そりゃそうですよね!
ということで、約束の時間に指定された場所に行ってみると…
そこは自動車工場のようなところ。ここで本当に合ってるのだろうか?
店(?)から出て来た原田さんに聞いてみると、どうやら本業は自動車の修理や整備なんだとか。
自動車整備工場のオーナーが何で焼き芋屋を?しかもフェラーリで?
ちょっと情報が渋滞を起こしてるので、一つずつ疑問をぶつけてみました。
【フェラーリ×やきいも屋というコラボを始めたきっかけ】
まず、なぜ焼き芋屋を?という疑問に関しては、奥さんが焼き芋が好きだったからだそうです。
だからと言って本業があるのに始めるか?と思ったのですが、
なぜフェラーリ?という疑問に全ての理由がありました!
原田さん、車の整備工場をしているだけに大の車好き!
長年の夢だったフェラーリを購入したものの、なかなか乗る機会がなく、ほこりが被った状態だったんだとか。
何かいい使い道はないか?と探していた時にふと、「そういえば嫁がよく焼き芋買ってたな。自分の好きなフェラーリと嫁の好きな焼き芋を合体させたらおもしろいのでは…」ということでこの「すーぱーかーやきいも」が誕生したそうです。
いやいや・・・
フェラーリを有効に使いたいという思いと、奥さんが焼き芋が好きだというのを掛け合わせると、なぜフェラーリの焼き芋屋になるのか?
いくつも段階を飛ばしてるような気もしますが…
【すーぱーかーやきいもが完成するまで】
思い立ってからが早かった!
2018年の10月に思い立った原田さん、1ヶ月で完成させるという無謀にも思える目標を設定。
仕事じゃないから期間を決めないとズルズルなっちゃうから1ヶ月という短い期間にしたそうです。(夏でもできないことはないらしいが、焼き芋の時期的なものもあった)
車いじりや機械工作はプロフェッショナル!
この一か月で窯作り、ヒッチメンバー、トレーラー部分まで一から作った!という話を写真を交えながら熱く話していただきました。
これは最初に書いたデザイン画。
この段階では、トレーラー部分は昔ながらの屋台の焼き芋屋さんだったんですね。これはこれでギャップがあって面白かったかも。
この焼き窯も…
フェラーリに合わせて赤、白、緑のイタリアカラーに。
フェラーリ本体を半分にぶったぎったように見えるトレーラー部分も、実は原田さんが板金加工などをして一から作ったんだとか。
段々と今の形に。
赤く塗装をして…
完成!!
さすが板金、そして機械工作のプロ…完璧です!!
こんなにそっくりに作って、逆にフェラーリ社に怒られないか心配です…。
【やきいもにも全力!やきいもを焼いているのはなんと…】
やきいもの経験は一切なかったという原田さん。知り合いの焼き芋屋さんに頼み込んで、毎週日曜に販売のお手伝いをしながら焼き方を教えてもらい、これも一か月で習得。
美味しい焼き芋も、フェラーリの屋台も準備万端!
でも、それだけじゃぁ満足しなかったみたいです。
他とは違う、さらにおいしい焼き芋を作るにはどうすればいいのか?あるテレビの検証番組ですーぱーかーやきいもの取材を行い、13種類の石で焼き芋を焼き比べるという検証を行った。
その中で一番甘いのが、水晶だった。
その糖度を見てみると…圧倒的に数値が高いではないですか!
これいただき!ということでその足で水晶を買いに行ったんだそうです。
石焼き芋ならぬ、水晶焼き芋。
実は原田さん、ちゃっかり商標登録してるんです!
なので食べられるのはここだけ。
近くに住んでてよかったー!
【すーぱーかーやきいもの反響】
すーぱーかーやきいもの噂を聞きつけた車好きの子供が親と一緒に遠方から来ることもあるそうです。
その中でもうれしかったのは、稲城から来た子の話。地元でも焼き芋を買ってもらったが「これはすーぱーかーやきいもじゃない!」と言って駄々をこねたんだとか。この子にとっては、「やきいも=すーぱーかーやきいも」そう思ってもらえてるのが嬉しかったってはにかみながら語る原田さん、ちょっと可愛かったです。
ただ、原田さん、同時に気になってることが。
「このままだと子供が本当の焼き芋を知らなくなっちゃうんじゃないか?」
うん、確かに。子供は純粋ですからね。
そこで原田さん考えました。
「オーソドックスな軽トラでも焼き芋を販売しよう!」と。
で、やっぱ思い立った瞬間に作ってしまいました。
早速その軽トラを見せてもらうと…
いや、軽トラも赤なんか〜い!!
やっぱり原田さんはフェラーリが抜けないようです。
【ボランティアをやってる理由】
原田さん自身、日の出で生まれ育ち、西多摩が盛り上がればなという思いがあるそうで、定期的に保育園や老人ホームなどにすーぱーかーやきいもで行ってボランティアで焼き芋を配っているそうです。
なので、すーぱーかーやきいもは一切儲けを考えていないし、実際全く儲かっていないのだとか。
男気がありすぎます。フェラーリに乗るためにはこれくらいの男にならないといけないのか…煩悩の塊のボクがその境地に至るにはまだまだ修行が足りないな。
【恒例、社内の食レポ】
原田さんから帰りにやきいもをいただいたので会社で食べることに。
少し時間が経ってしまい、冷めてしまったので温めます。
我が社のエンジニアの久米さんから、レンジをかけたあとオーブンで温めるとやきいもはいいよと教えていただきました。さすが久米さん!と思ったら会社にオーブンがなかったのでレンジだけで。
その場で食べれればベストですが、もしフェラーリのカッコよさに気を取られすぎて焼き芋が冷めてしまったらみなさんぜひやってみてください。
まずは、DEEP TAMAのデータ班リーダー(と言ってもデータ班1人だけですが)藤山隊員に食べてもらいます。
藤山隊員、微妙に小指が立ってるのが気になりますが…
では、実食!
「あ、甘い!!焦げのところの香ばしさがまた絶妙!!」
そして、もう1本はデザイナーの渡辺さんに食べてもらいました。
「う〜ん・・・蜜の甘みがたまらない!何個でもイケるわ〜!」
実はこの焼き芋、園児向けに蜜を少なくしたということを伝えると
この表情になってしまうくらい甘いんです。
原田さんから冷やしてもまたおいしいよと聞いたのでもう一本は冷やして食べることに。
実は、冷やして食べるとまた別の旨味が!
より甘さが引き立ち、そう!まるでスウィートポテトを食べてるような感じなんです!
・・・あまり食べたことないので分からないですが多分…(笑)
今回新しく入ったベトナム出身のティンさんに初食レポをお願いしました。
「芳醇な香りと、くどくない上品な甘み…おいしいです。」・・・そう、彼、日本語が上手なんです。というか、我が社の中で一番上手いかも。ちなみに、ベトナム語で「甘い」はngOt(グオット)、「おいしい」はNgon(ゴン)というそうです。
【原田さんにとってすーぱーかーやきいもとは】
こういう質問には少し答えにくそうでしたが強引に聞きました。
「子供からお年寄りまですべての人に夢を与えるものかな」
おっしゃる通りです。ボクもフェラーリに乗ることは夢です!・・・焼き芋を売ることはないと思いますが。
【特派員からの一言】
フェラーリ×やきいもという冗談だろと思ってしまう組み合わせでしたが、原田さんの家族への思いや地域への思いに感動しました。
ボクも原田さんのようにフェラーリが似合う男になって必ずフェラーリに乗ってみせます!
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